お店に行けば、牛乳や卵が手に入る。
まずわたしたちは、これが当たり前であるという誤解を知りました。
母乳が出るということは、妊娠して、出産したということ。
それは、人も牛も同じです。
妊娠した牛は、1 リットルの生乳のために
500 リットルの血液を費やすといわれています。
そうした生命の営みのうえに、
人の手をかけてつくられた牛乳は
1 リットル 150 円ほどで手に入れることができます。
なぜ水やジュースと変わらない価格なのか。
酪農そのものが、苦境に立たされているのです。
いま、アニマル・ウェルフェア(動物福祉)という観点が広まりつつあります。
身動きも取れない囲いのなかでつながれ、
生乳を絞られるという現状から本来の生態や欲求、行動を尊重し、
牛にとっての幸せを追求しようというものです。
大量生産・大量消費へと向かうなかで、
見えにくくなってしまったこと、
知らないうちに手放してしまったこと。
わたしたちは、そうした大切なことを、
ひとつひとつ取り戻していきたいと考えています。